きっかけ
Twitter の 画材研究タグ を見るのが好きなのですが、ある日、とても素敵な投稿を見つけました。
絵の具の情報がコンパクトにまとめられていてこんなすばらしいものがあったのかと感激。そして、このカードがスウォッチカードという名前であることも上記の投稿で知りました。
名前がわかれば検索できる!というわけで検索しているうちにカードを作りたくなりました。
スウォッチ(swatch)とは
もともとは布を小さく切ったサンプルやそのサンプルを集めた本のことを swatch と言ったようです。色のサンプルにも使うようになり、化粧品の色の塗り比べも swatch といいます。
スウォッチカードをどう作ろうか考える
スウォッチカード用の紙を考える
当初は最初から手頃な大きさに切ってある単語帳でいいのではと思いましたが、紙の pH を考えるとやめたほうがよいとアドバイスをいただきました。
普段使っている水彩紙が理想ですが、私がスケッチに使っているのはハーネミューレのウォーターカラーブック。使われている紙はハーネミューレの Akademie Watercolor の 200 gsm fine grained surface。全く同じ紙はおそらく日本では販売していません。ハーネミューレの 300 gsm の細目が近いかなと思ったのですが廃番で地元のお店にはなく、中目を購入しました。
余談ですが、大きな紙を買うのは初めてでどう管理していいものかわからず、とりあえず適当に4等分しました。冬で乾燥しているので紙がかぜをひくこともないかと思いそのまま部屋に置いています。梅雨がない北海道とは言え、暖かくなってきたらなんらかの湿気対策が必要かなとは考えています。
スウォッチカードに入れたい項目
スウォッチカードをつくるにあたってまとめたい情報をあげてみました。あげてみると結構な量になりました。
絵の具の情報
- 絵の具の商品名(メーカー名+色の名前+番号)
- 顔料
- 透明度
- 粒状化するかしないか
- ステイニングかどうか、またはステイニングの強度
- 耐光性
実際に見たい情報
- 実際の色を飽和した状態から薄く塗ったときまでグラデーションで見たい
- 下の色をどの程度隠すか
- リフティングをどの程度できるか
- 絵の具の伸び
スウォッチカードの大きさを考える
管理しやすさを考えたときに、名刺サイズなら市販のファイルを使えるのでラクかなと考えました。
問題はスウォッチカードとしてはかなり大きくなること。大きくなるとそれだけ紙を使いますし、たくさんの数を並べてパッと見比べるには不利です。それでも管理のしやすさを優先して名刺サイズで作ることにしました。
メーカーごとの表記の違いをどう処理するか
透明度やステイニング(リフティングのしにくさ)、粒状化の有無、耐光性(堅牢性)はメーカーによって表記の仕方が異なります。次の記事で少し詳しく書きます。
最終的にはいろいろなメーカーに対応できるように四角、三角、丸を並べることにしました。この3つの記号をこの順番で並べてみたのはちょっとしたおあそびです。
実物大で配置を考える
大きさと入れたい項目が決まったので実物大で配置を考えました。画像は途中の案です。
スタンプを作ることを思いつく
自分はとても不器用なので、定規を使ってまっすぐ線をひくことに苦手意識があります。スウォッチカードについて検索している時に、スタンプを作っている人を見たのでその案を拝借することにしました。
スタンプだと細い線よりも太い線の方が長持ちするかと考え最終案は下記のようになりました。
スタンプ作成を依頼……の前に
スタンプを作成してくれる場所として思いついたのが東急ハンズだったので、行って相談してみました。水彩で色をのせた途中案を見せたところ、インク浸透印でもゴム印用のスタンプでも、耐水性のインクがあるかわからないとのこと。
さらに、表面がでこぼこした水彩紙に使いたいことを話すとゴム印がいいのではとのことでした。
そこで店の方からメーカーに、耐水性のあるスタンプ台があるか問い合わせていただくことになりました。
スタンプ作成を依頼
翌日、担当の方からスタンプ台はシャチハタのタートというシリーズがおすすめと連絡がありました。タートは油性染料インキのスタンプ台です。店頭にはなかったので取り寄せていただくことに。
amazonのタートのページはこちら
スタンプ台が決まったのでいよいよゴム印作成です。
担当の方に最終案を見せたところ、画像をスキャンして、それを元にさらっとデータを作ってくださいました。何度か紙に印刷して記号などの大きさを調整。そしてその段階になって値段を言い忘れていたと。お値段なんと¥9,255 。いまさら後にはひけず、作っていただくことにしました。
スウォッチ用スタンプのできあがり
依頼して3日後、スタンプができたと連絡があったので受け取りに行きました。こうしてスウォッチ用スタンプができあがりました。実際にこれを使って作ったスウォッチカードについては次回の記事にて紹介します。
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