ブックレビュー:線一本からはじめる伝わる絵の描き方 ロジカルデッサンの技法

たまたまデザインについての kindle 本 がセールだったので、その中で気になったこの本を読んでみました。

この本の著者は OCHABI Institute となっています。OCHABI とは、美大受験のための塾、美術の専門学校、大人のためのアートスクール(artgym)を経営しているグループのようです。執筆者は artgym のコーチの方々です。

この本にはソフトカバーの単行本と kindle 版があります。ページ数は176ページです。構成は序章と第1章から第5章の6つの章に分かれています。各節にはその節が知識や考え方を学ぶ study なのか、実際に手を動かす work なのかが明記されています。

序章は、絵は誰でも描ける、知ることで上手になる、と、本を読むモチベーションを上げてくれます。

第1章は線の描き方についてです。ペンの持ち方、線を描くコツ、練習と続きます。この章ではいわゆる棒人形の描き方も出てきますが、別の章で人の描き方を扱いますし、そことつながる感じでもなく、個人的にはちょっと存在に疑問を感じました。

第2章は平面的な絵を描こうというタイトルです。平面的とは言ってもショートケーキのような立体も扱っており、シンプルな形に置きかえて描いてみようといった内容です。

第3章は人物の描き方です。顔を描くときの各パーツのバランスについてシンプルなイラストでわかりやすく説明があります。つづいて、人の全身について、棒人形→身体を描く→服を着た人を描くと段階を踏んで説明しています。シンプルなイラストで説明も丁寧なので、読んでいるとなるほどと思いますが、実際に自分で描いてみようとすると結構難しいです。

第4章は立体的な絵の描き方です。この章は鉛筆を用いたデッサンの入門編といった感じです。バリュー、鉛筆の持ち方、練り消しの使い方、1点透視図法、2点透視図法、アイレベルの説明があり、その後、円柱、円錐、球、りんごを実際に描いてみます。

第5章は情景を描こうというタイトルで、これまでのまとめとなっています。

執筆者が複数人いるためか、シンプルなイラストとしっかり影をつけるデッサンが混ざっていて、私は少し混乱してしまいました。ですが、全体を通して写真が豊富で説明が丁寧なので、実際にやってみようという気持ちにさせてくれました。そして、やってみると分からないところがでてくるので、もっと調べてみようと思いました。デッサンの知識や経験がある人には物足りないかもしれませんが、自分のような初心者にっとては入門書として良い本だと思いました。

この本を読みながら描いてみた球体


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