スケッチ入門書その1

スケッチを始めようと思った時に読んで良かった本を紹介します。今回はこちらの本。

スケッチは3分 (光文社新書)山田 雅夫

著者の山田 雅夫先生はスケッチ関連の著作が豊富なかたです。本業は都市設計家、一級建築士と芸術畑の出身ではありません。そのためか、意図したものか、簡潔な文章でとても読みやすいです。

この本は新書で229ページ。Kindle 版もでています。新書ですので絵は白黒ですが、この本で扱っているのがペンや万年筆と鉛筆でのちょっとしたスケッチなので問題はありません。なお、作者はこの本で扱う厳密なスケッチでも挿絵でもないスケッチを “ちょいスケ” と呼んでいます。スケッチと文章の割合は文章が多めに感じられますが、それだけ読者のセンスに頼るのではなくしっかりと文章で説明しているとということだと思います。

構成は8つの章からなっており、前半第5章までは総論で、後半第6章から第8章は各論です。

第1章では “ちょいスケ” とはどういうものなのかが説明されます。第2章はフリーハンドで線と円を書くための練習方法が書かれています。さらに、線とは何か、どんな線をひけばよいのか、影はどう表現すれば効果的かが説明されます。第3章では一点透視法についてごく簡単に説明されています。第4章はスケッチブックやボールペン、万年筆などの道具の効果的な使い方についてです。第5章は描写の手順についてです。描きにくいものは描かない。模様や繰り返しは省略する、描くテーマはひとつにしぼる、下描きの主な役割は補助線、線の描き順、とどれもとても勉強になります。

第6章から第8章はそれぞれ、モノを描く、ひとを描く、風景を描く各論となっています。

簡単なスケッチを始めてみたいという方にとてもおすすめの本です。


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